すんちゃんの思考の部屋

理系大学院卒、コンサルタントの日々を徒然になるままに書き留めました。

ファスト&スロー

 

 

前から積読していたファスト&スローを読んだので、備忘も兼ねて以下にまとめていきます。

まとめる観点としては、ファクト・インサイト・アクションの3つで整理しました。

 

◾ファクト
▼システム1とシステム2(ファスト&スロー)
・「システム1」は、自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分の方からコントロールしている感覚は一切ない。
・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い。

▼エコンとヒューマン
・エコンとは、経済学者が定義する合理的経済人類(システム2のみ所有)
・ヒューマンとは、自分が見たものが全てと思い込む人類(システム1・2所有)

▼二つの自己
・記憶する自己>経験する自己
 →仮に辛い経験が長時間続き、苦痛が分散されぶるケースと辛い経験が短時間で集中する場合では、
  苦痛の量が同じであっても記憶する自己により、判断されるため、前者の方が望ましいと考えられる傾向がある。

・ミハイ・チクセントミハイにより、意志の力をそれほど必要としなくても凄まじい努力を続けられる状態を「フロー」と定義した。
・アンカリング効果(anchoring effect)
 争点が一つしかない時には先手が有利。アンカリング効果の影響に引っ張られないようにするためには、反対のシチュエーションを考えることが大切。

プロスペクト理論(画像はファスト&スロー(下)より引用させていただいた)

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ジュレミー・ベンサム「道徳および立法の諸原理序説」にて、「自然は人類を苦痛と快楽というい二人の主権者の支配のもとにおいてきた。我々が何をするかを決定するのは、ただ苦痛と快楽の経験を表す尺度である

 

インサイト
認知心理学における最近数十年における重要な発見の一つは、あるタスクから別のタスクに切り替えるのは困難だ、ということ
 →マルチタスクは同一時間内複数のタスクを実施することではなく、複数のタスクに対して優先度、重要度を考慮して、
  優先順位をつけてタスクを遂行できることと言い換えることができるのではないか。

・ストーリーの出来で重要なのは情報の整合性であって、完全性ではない。むしろ手元に少ししか情報がない時の方が、
 うまいこと全ての女王を筋書き通りに詰め込むことができる。
 →仮説を立てること、ストーリーラインを考えることは事前に実施しておくことが望ましいことをサポートする洞察と考えられる。
  普通に全ての情報に当たったとすると、情報の海に溺れてしまう。

・自信は感覚であり、自信があるのは情報に整合性があって、情報処理が認知的に容易であることに違いない

 

◾アクション
・誰かに嘘を信じさせたい時の確実な方法は、何度も繰り返すことである。
 聞き慣れた言葉は真実として受け入れやすい。

・成功=才能+幸運
 →スキルを高めるだけではなく、運を高めるアクションが必要

・人間は合理的でないので、デフォルトを設定しておくことで、納得感のある落とし所を設定することができる

・経験をより良いものとする方法とのとして、受動的な楽しみから能動的な楽しみに切り替えることが挙げられる