ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学
【勝手に5段階評価】
★★★★☆
【本書籍を読んだ目的】
時間がある時に経営学のトレンドを押さえておきたいと考えたため。
詳細の理由は下記の3つ。
①経産省の某プログラムで入山先生のお話をお聞きしていたので前から読もうと思っていたから
②HBR読者が選ぶベスト経営書2016に選ばれていたから
③出張で海外に行く時に時間があったため
【SUMMARY】
【INPUT】
(ⅰ:自分の考えと同じ、すでに知っていたこと、ⅱ:自分の考えや違和感を感じたところ、知らなかったところ、ⅲ:この本を読んだ目的に合致する)
※全てが(ⅲ)に当たると言える。
▼経営学はあくまで思考の軸である ー(ⅱ)
①理論研究から導かれた「真理に近いかもしれない経営法則」
②実証実験などを通して、多くの企業、組織、人に当てはまりやすい法則かどうかの検証
▼MBAで学ぶ2大ツール
・ジェイ・バーニー「Resource Based View」:企業の競争優位に重要なのは、製品やサービスのポジショニングではなく、企業の持つ経営資源にあると提唱された理論 ー(ⅱ)
▼成功しやすいビジネスモデルの条件とは? ー(ⅱ)
①効率性(efficiency)
②補完性(complementarity)
③囲い込み(lock-in)
④新奇性(novelty)
→イノベーティブかつ、シンプルなビジネスモデルであることが暫定解と言える
▼「両効きの経営」を進めるためには?(Ambidexterity) ー(ⅰ)
・知の探索(exploration)と知の深化(exploitation)の両方のバランスをとって進めていくことが重要。
→(e.g.) Appleの故Steve JobsがExplorationをSteve WozniakがExploitationを実施していたことで、イノベーティブなプロダクトが生産されたとも言える。
▼これからの時代に向くリーダーシップとは? ー(ⅱ)
・トランスフォーメーショナル・リーダーシップ
→①組織のミッションを明確に掲げ、部下の組織に対するロイヤリティを高める
②事業の特性や将来性や魅力を前向きに表現し、部下のモチベーションを高める
③常に新しい視点を持ち、部下のやる気を刺激する
④部下一人一人と個別に向き合いその成長を重視する
▼ビションに重要なこと ー(ⅱ)
・簡潔であり、明快であり、ある程度の抽象性があること
→当たり前のことであるが、なかなか設定が難しい部分であると考えられる。実際にやってみると意外に難しいとこを痛感する。
▼成功する起業家に共通する精神とは? ー(ⅰ)
・革新性(innovative)、積極性(proactive)、リスク志向性(risk-taking)の3つが重要だと言われている
・クレイトン・クリステンセン教授が執筆した「イノベーティブ・アントレプレナーの条件」では以下の4つにまとめられることが論じてある。
①質問力(Questioning)
②観察力(Observing)
③実験力(Experimenting)
④アイディア・ネットワーク(Idea networking)
【感想】
面白かったの一言に尽きる。
特に感銘を受けた部分は、イノベーティブ・アントレプレナーの条件の部分で、この4つの要素は起業家だけではなく、
できるビジネスパーソン、研究者など多くの成功者に当てはまる性質ではないかと仮説を持ちました。
(肌感覚的には、間違いない感じだが。果たしてどうか...)
ただし、もう一歩踏み込んで日常ではこんなことに応用できますよというサジェスチョンがあるとなお良かったのではないでしょうか。