すんちゃんの思考の部屋

理系大学院卒、コンサルタントの日々を徒然になるままに書き留めました。

失敗の本質

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 

◾Fact
失敗した戦争のコンテンツ、その原因は以下のとおり。
1. ノモンハン事件:作戦目的の曖昧さ、中央ー現地のコミュニケーションが有効に機能しなかった事
2.ミッドウェー海戦:作戦目的の二重化、戦略の複雑性、不測の事態への瞬時かつ有効な反応ができなかった事
3. ガダルカナル作戦:情報の貧困、戦力の逐次投入
4. インパール作戦:不要な作戦の実施
5. レイテ作戦:自己認識の失敗
6. 沖縄戦:作戦目的の曖昧さ、認識のズレ、意思の不統一
 
◾Insight
・致命的な失敗やその原因となる欠陥は、危機(不確実性の高くかつ不安定かつ流動的な状況)にて顕在化する
・目的の曖昧な作戦は必ず失敗する
 →PJなどを実施するときには目的を明確にしなければ、成功しない。まずは時間がかかっても明確な目的を設定する事が重要。
・日本軍は両者折衷案(陸軍、海軍)が取られる事が多かった
・日本の組織の強みはオペレーション戦略(決まったことを改善しながら徹底的に勤勉に実施すること)
・創造的破壊
・進化する組織は学習する組織でなければらない
 
◾Next Action
コンティンジェンシープランを持っているか、企図(計画)と実際のパフォーマンスのギャップをどれだけ小さくする事ができるか
 →組織は想定しているよりも危機時の対応が複雑化しているため、わかっていても行動に移せない可能性が高い。
  それゆえ、危機時の対応を明確にしておく事が肝要である。(コンティンジェンシープラン
・不確実な状況下に置いて、客観的事実の尊重とその行為の結果のフィードバックと一般化を頻繁に実施する事は有効な手段
・本質的ではない細かな庶務的仕事に没頭しない。本質的な仕事にリソースを割り当てる。
・戦略/戦術/戦法の理論化
 →言語化してスタンダードを作ること
・自己革新組織(個人)として、現状を自己否定し絶えずシステム自体の限界を超えた目標に向かっていくこと
 環境に対して自らの目標と構造を主体的に変える事ができる組織(個人)
 →革新組織はInnovation Groupと言えるのではないか?