すんちゃんの思考の部屋

理系大学院卒、コンサルタントの日々を徒然になるままに書き留めました。

本質を見抜く「考え方」

 

本質を見抜く「考え方」

本質を見抜く「考え方」

 

 

◾Fact
・イギリス人は歩きながら考える。フランス人は考えてから、走り出す。スペイン人は走ってから考える。
※参考
 
◾Insight
・考え始める技術として、「行動しながら考える」ことにより、今まで気づかなかった問題を発見することができる。沈思黙考は望ましくない
・迷いは将来への投資と捉える
 →迷うことから逃げない
 
◾Next Action
・論理は保険と心得る
 →必要に合わせて手段を考えるのは日本的やり方であり、うまくいくときには反射的に、効率的に成果を上げることができる一方で、
  失敗するときには被害が大きい(e.g. ミッドウェー海鮮)
 
・間違えないためにも自分にとって都合の良い論理を調達しない
・情報を収集するときには目的意識(コンセプト)を明確にしてから、実施する

ライト、ついてますか

 

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

 

 

◾Fact

 
◾Insight
・何が問題か?を考えるときには、「問題を抱えているのは誰か?」「あなたの問題の本質は何ですか?」を自分や相手にたずねてみることで、
 迷っている(くるくる同じことを堂々巡りで考えているなど)を避けることができる
・問題とは、望まれた事柄と認識された事柄の間の相違である
 →ASISとTOBEのギャップとも言い換えることができる
・正しい問題定義が得られたという確信は決して得られない。だがその確信を得ようとする努力は、決してやめてはいけない
・問題文をどう変えたら、解答を変えることができるだろうか?を考えるようにする
 →問題定義を再確認する
・他人のために問題を解いてやるための人が知っているべき問題定義の教訓
(1)ちょっと見たところと違って人々は、くれといったものを出してやるまでは何が欲しかったか知らぬものである
(2)あとから調べてみれば、本当に問題を解いて欲しかった人はそんなにいないものだ
・人は順応するので、刺激が繰り返されると応答がだんだん減少してくる
 
◾Next Action
・何が問題か?を考えるときには、「問題を抱えているのは誰か?」をまずは考えるようにする
・リアリティを持たせたシチュエーションを仮置きして考えてみること=当事者の気持ちになって考えることを忘れない
・それは誰の問題か?を考える
・人は環境によって左右される割合が大きいので、
 自分なりにComfortable Zoneから出てみる

ざっくりわかるファイナンス

 

ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)

ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)

 

 

◾Fact
・WACC(Weighted Average Cost of Capital)
 企業の資金調達コストであり、会社が投資家からいくらで資金を調達してきているかを表した値。
なお、負債D、株主資本E、実効税率Tcとする。
実効税率は有利子負債の場合の損金を課税所得から控除することができる。
すなわち、企業であれば節税対策として利用することができる。
WACCが低いということは、投資家にとってのリスクが低いこととなり、
逆にWACCが高いと、投資家にとってのリスクが高いことになるので投資家はハイリスク・ハイリターンを求める傾向となる。
したがって、株主資本コストが大きくなり、キャッシュフローを圧迫する可能性がある。
  
・ROIC(Return On Invested Capital)
 事業活動のために投下した資本に対してどれだけのリターンを得ることができるかを知るための値。
 
◾Insight
・会計(Accounting)と財務(Finance)の違いは、⑴会計は利益を扱い、財務はキャッシュを扱う、⑵会計が扱うのは企業の過去実績、財務が扱うのは企業の未来の数字
ファイナンスは、投資に関する意思決定、その投資に必要な資金調達、運用したお金をどう配分するかという意思決定という3つの意思決定に関わるもの
・WACC以上のROICを上げることが経営者の使命
・企業は投資なくして、企業価値を高めることはできません
 →人間も同じで投資なくして自身の価値を高めることは難しい。
 
・投資判断のプロセス
キャッシュフローの現在価値の計算
⑶投資判断指標の計算
⑷計算結果と採択基準の比較
 
◾Next Action
・自身に対してお金を使うときには、自分なりに投資に見合うものなのかを考えて行動するようにすることで、効果的に資本を活用することができる

失敗の本質

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 

◾Fact
失敗した戦争のコンテンツ、その原因は以下のとおり。
1. ノモンハン事件:作戦目的の曖昧さ、中央ー現地のコミュニケーションが有効に機能しなかった事
2.ミッドウェー海戦:作戦目的の二重化、戦略の複雑性、不測の事態への瞬時かつ有効な反応ができなかった事
3. ガダルカナル作戦:情報の貧困、戦力の逐次投入
4. インパール作戦:不要な作戦の実施
5. レイテ作戦:自己認識の失敗
6. 沖縄戦:作戦目的の曖昧さ、認識のズレ、意思の不統一
 
◾Insight
・致命的な失敗やその原因となる欠陥は、危機(不確実性の高くかつ不安定かつ流動的な状況)にて顕在化する
・目的の曖昧な作戦は必ず失敗する
 →PJなどを実施するときには目的を明確にしなければ、成功しない。まずは時間がかかっても明確な目的を設定する事が重要。
・日本軍は両者折衷案(陸軍、海軍)が取られる事が多かった
・日本の組織の強みはオペレーション戦略(決まったことを改善しながら徹底的に勤勉に実施すること)
・創造的破壊
・進化する組織は学習する組織でなければらない
 
◾Next Action
コンティンジェンシープランを持っているか、企図(計画)と実際のパフォーマンスのギャップをどれだけ小さくする事ができるか
 →組織は想定しているよりも危機時の対応が複雑化しているため、わかっていても行動に移せない可能性が高い。
  それゆえ、危機時の対応を明確にしておく事が肝要である。(コンティンジェンシープラン
・不確実な状況下に置いて、客観的事実の尊重とその行為の結果のフィードバックと一般化を頻繁に実施する事は有効な手段
・本質的ではない細かな庶務的仕事に没頭しない。本質的な仕事にリソースを割り当てる。
・戦略/戦術/戦法の理論化
 →言語化してスタンダードを作ること
・自己革新組織(個人)として、現状を自己否定し絶えずシステム自体の限界を超えた目標に向かっていくこと
 環境に対して自らの目標と構造を主体的に変える事ができる組織(個人)
 →革新組織はInnovation Groupと言えるのではないか?
 

「社会調査」のウソ

 

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

 

 

◾Fact
・特になし
 
◾Insight
・モデル構築はバイアスの巣である
 →モデルを利用する際には前提(モデルが利用できる時、できない時など)を理解した上で、利用していく事が肝要である。
・今後は情報を収集するスキルよりも情報を捨てるスキルの方が重要になっていくと考えられる
 →(仮説)情報を的確に捨てるスキルに関するセミナーや自己啓発本などが流行ってくるのではないか?
   必要な情報を抽出して、判断しやすいように表現できるシステム(BI)の優位性が高まっていくのではいないか?
 
◾Next Action
・相関関係と因果関係を明確に使い分ける事
 →相関関係は原因と結果の時系列が不明であり、因果関係は原因となる変数と結果となる変数が時系列的に並んでおり、関係が明確になっているもの

頭が良くなる図解思考の技術

[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術

[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術

 

・図解することにより、文字レベルよりも容易に抜け、漏れ、ダブりを見つけだす事ができる
フレームワークは6パターンのみ (頭が良くなる図解思考の技術より引用)

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・サテライト型フレームワーク|デルタモデル
 事業戦略を3つの方向性(システムロックイン、トータルカスタマーソリューション、ベストプロダクト)から考える
 
◾アクション
・質問が出てくる7つの軸 (5W2H)
 why, what, when, where, who, how, how much

ファスト&スロー

 

 

前から積読していたファスト&スローを読んだので、備忘も兼ねて以下にまとめていきます。

まとめる観点としては、ファクト・インサイト・アクションの3つで整理しました。

 

◾ファクト
▼システム1とシステム2(ファスト&スロー)
・「システム1」は、自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分の方からコントロールしている感覚は一切ない。
・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い。

▼エコンとヒューマン
・エコンとは、経済学者が定義する合理的経済人類(システム2のみ所有)
・ヒューマンとは、自分が見たものが全てと思い込む人類(システム1・2所有)

▼二つの自己
・記憶する自己>経験する自己
 →仮に辛い経験が長時間続き、苦痛が分散されぶるケースと辛い経験が短時間で集中する場合では、
  苦痛の量が同じであっても記憶する自己により、判断されるため、前者の方が望ましいと考えられる傾向がある。

・ミハイ・チクセントミハイにより、意志の力をそれほど必要としなくても凄まじい努力を続けられる状態を「フロー」と定義した。
・アンカリング効果(anchoring effect)
 争点が一つしかない時には先手が有利。アンカリング効果の影響に引っ張られないようにするためには、反対のシチュエーションを考えることが大切。

プロスペクト理論(画像はファスト&スロー(下)より引用させていただいた)

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ジュレミー・ベンサム「道徳および立法の諸原理序説」にて、「自然は人類を苦痛と快楽というい二人の主権者の支配のもとにおいてきた。我々が何をするかを決定するのは、ただ苦痛と快楽の経験を表す尺度である

 

インサイト
認知心理学における最近数十年における重要な発見の一つは、あるタスクから別のタスクに切り替えるのは困難だ、ということ
 →マルチタスクは同一時間内複数のタスクを実施することではなく、複数のタスクに対して優先度、重要度を考慮して、
  優先順位をつけてタスクを遂行できることと言い換えることができるのではないか。

・ストーリーの出来で重要なのは情報の整合性であって、完全性ではない。むしろ手元に少ししか情報がない時の方が、
 うまいこと全ての女王を筋書き通りに詰め込むことができる。
 →仮説を立てること、ストーリーラインを考えることは事前に実施しておくことが望ましいことをサポートする洞察と考えられる。
  普通に全ての情報に当たったとすると、情報の海に溺れてしまう。

・自信は感覚であり、自信があるのは情報に整合性があって、情報処理が認知的に容易であることに違いない

 

◾アクション
・誰かに嘘を信じさせたい時の確実な方法は、何度も繰り返すことである。
 聞き慣れた言葉は真実として受け入れやすい。

・成功=才能+幸運
 →スキルを高めるだけではなく、運を高めるアクションが必要

・人間は合理的でないので、デフォルトを設定しておくことで、納得感のある落とし所を設定することができる

・経験をより良いものとする方法とのとして、受動的な楽しみから能動的な楽しみに切り替えることが挙げられる