すんちゃんの思考の部屋

理系大学院卒、コンサルタントの日々を徒然になるままに書き留めました。

1984

〜きっかけ〜
Appleがスーパーボールの試合に”ビッグ・ブラザー”をやっつけるCMを打ち出してから、村上春樹1Q84を昔に読んでから、
読もう読もうと思っていながら読めていなかった1984をついに読んでみました。
トランプ政権にそっくりだということからも感化されて、amazonで注文しようとしたものの、
世間の人々はみんな同じ考えらしく、1か月〜待ちだったので、ふらっとリアル本屋に行って購入して読んでみた。
 
〜現代への警笛〜
真理省(Ministry of True)によって全ての情報は書き換えられている世界。
食べ物や服装、それだけではなく思考までが統制されている描写に対して、
日本万歳と声高に叫びながらも大敗を喫した日本の第二次世界大戦を連想さずにはいられなかった。
しかし、1984から30年以上経過した現代においても、
米国トランプ大統領が自分を批判するメディアにはホワイトハウスでのインタビューを許さないといった姿勢を示しており、
これはまさに情報統制で、真理省を同様に改ざんを実施しているとも言える。
悲惨な未来を生まないために、我々に何ができるのかを考えなければならない。
警笛を鳴らしているように思った。
 
〜矛盾だらけの現実「オルタナティブ・ファクト」〜
「戦争は平和なり・自由は隷従なり・無知は力なり」とのスローガンがオセアニアには存在している。
もはや完全に洗脳を前提にしたスローガンを掲げていると思った。
なぜなら、戦争していて平和に暮らせるわけはなく、隷従することは自由よりも自由の剥奪と捉えられ、さらに何も知らないことは力ではなく無力であり、矛盾しているとしか考えないからだ。
 
村上春樹の「ノルウェイの森」を初めて読んだ時の感覚とニアリイコール〜
率直な感想は「ノルウェイの森」を読み終わった時のような、So What?(それで何が言いたいの?)という感じだった。
と言っても、2度目読んだ時にはなんとも言えないメタファーや主人公の心の葛藤に面白みを感じたので、
おそらく「1984」もそのようになると信じたい。
 

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)